アミノ酸とは?効果やおすすめの食べ物、摂取のポイントを簡単にわかりやすく解説
「アミノ酸を効率よく摂取したいけど、何を食べたらいいんだろう?」
毎日を健康的に過ごすにはアミノ酸の存在が大切です。この記事では、アミノ酸について効果やおすすめの摂取方法を紹介します。
日々の生活に取り入れやすい内容なので、ぜひ今日からでも試してみましょう。
アミノ酸とは?を簡単に解説
アミノ酸とは、たんぱく質を構成する成分です。一般にアミノ酸が50以上つながったものをたんぱく質と呼びますが、10個のアミノ酸から構成されるたんぱく質も発見されています。 私たちの体において、約20%はたんぱく質で構成されており、筋肉や消化管、内蔵、髪の毛、皮フなどに存在。つまり、私たちの体はアミノ酸によってできているともいえます。
アミノ酸は20種類です。ひとつでも欠けるとたんぱく質の合成ができません。アミノ酸のうち、9種類は体内で作れないため必須アミノ酸と呼びます。必須アミノ酸は、たんぱく質として食事からの摂取が必要です。基本的に、通常の食事をしていれば不足することはありません。
アミノ酸のなかでもBCAA(分岐鎖アミノ酸)は、筋肉中に存在し運動時のエネルギー源となります。必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
またGABAは、副交感神経を優位にしリラックス状態を作ると考えられています。GABAは、ガンマアミノ酪酸の略称です。非必須アミノ酸のグルタミン酸から作られます。
アミノ酸を摂取することで得られる6つの効果
アミノ酸には、体にうれしいさまざまな効果があります。6つの効果を順番にみていきましょう。
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①筋肉の疲労軽減
アミノ酸を摂取すると疲労回復にもつながります。 体内のアミノ酸が足りないと、代わりに筋肉が分解され、エネルギー源となります。アミノ酸の代わりに筋肉が使われると、筋肉が傷つき筋肉疲労につながるのです。 アミノ酸のうち、BCAAは筋肉中に多く存在するアミノ酸です。運動中に失われやすいので、運動をする前後に摂ると、筋肉痛や筋肉の疲労回復が期待できます。 -
②筋肉量アップ
アミノ酸は、運動で壊れた筋肉組織を再生し筋肉量をアップさせます。 筋肉量をアップしたい人は、積極的にBCAAを摂取しましょう。筋肉中にはBCAAが多く含まれるからです。筋肉量は、筋肉中におけるたんぱく質の分解と合成のバランスで決まります。 -
③リラックス効果
アミノ酸は、リラックス効果も期待できます。アミノ酸のひとつであるGABAは、脳内の興奮を抑える作用があるからです。 自律神経のうち交感神経が優位になると、興奮状態になります。日中であればよいですが、夜に交感神経が優位になってしまうと、神経が興奮し、眠れなくなってしまうことも。 GABAは 副交感神経を優位にし、リラックス状態を作ります。寝る前にGABAを含むアミノ酸の摂取を摂取しましょう。 -
④安眠効果
睡眠にもアミノ酸が関係します。 ある研究では、アミノ酸のグリシンを摂取したところ、摂取していない群と比べて、寝付きがよくなったという結果に。またグリシンによって日中の眠気が軽減したと報告されています。睡眠リズムも整え、朝早く起きてしまう早朝覚醒や寝ている途中で目覚めてしまう中途覚醒が減り、熟睡感が得られました。アミノ酸は、安眠に対しての効果が期待できます。 -
⑤免疫力アップ
免疫力のアップもアミノ酸の効果です。シスチンとテアニンは、自然免疫力を高めます。また、グルタミンとアルギニンも免疫力に関与するアミノ酸です。グルタミンは、免疫細胞の増加を助けます。そしてアルギニンの作用は自然免疫に重要なマクロファージの活性化です。 また、免疫細胞の構成成分はたんぱく質ですので、免疫細胞の活性化にはアミノ酸が欠かせないといえます。 -
⑥肝機能の向上
アミノ酸であるオルニチンは、肝臓機能の向上に関与します。 アンモニアは、グルタミン酸からアミノ酸であるグルタミンを生成する際に使用される成分です。しかし、体内に蓄積されると毒となります。肝臓でアンモニアを尿素に変えることで、解毒が可能です。 この一連の解毒の過程で、オルニチンが活躍します。アンモニアを尿素に解毒するサイクルである尿素回路は、オルニチンサイクルともいわれています。
アミノ酸が多く含まれる食べ物
アミノ酸を多く含む食べ物をみてみましょう。
アミノ酸を摂る時には、アミノ酸スコアを考えましょう。アミノ酸スコアとは、たんぱく質による栄養価を示す指標です。必須アミノ酸がどのくらい満たされているのかで、アミノ酸スコアが計算されます。 アミノ酸スコアが100に達している食品が、質のよいたんぱく質を含んでいると考えられるのです。
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肉類(牛肉・鶏肉・豚肉)
肉類のアミノ酸スコアは牛肉、鶏肉、豚肉ともに100です。肉類は良質なたんぱく質だといえます。肉類は、部位によって脂質やカロリーが変わります。例えば、鶏肉で脂質などを抑えたい場合は、皮なしのささみ部位がおすすめです。 -
魚類(あじ・いわし・さけ・マグロ)
魚のアミノ酸スコアは高く、良質のたんぱく質が含まれています。あじやいわし、さけ、マグロのアミノ酸スコアは100です。また魚類はビタミンやミネラル、鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。 -
海藻
海藻に含まれるたんぱく質も良質です。わかめやひじき、もずくのアミノ酸スコアは100なので、バランスよくアミノ酸が含まれている食品であるとわかります。海藻には、フコイダンと呼ばれる水溶性食物繊維も豊富に含まれているので、腸内環境を整える作用も期待できます。 -
卵
卵に含まれるたんぱく質は、アミノ酸スコアは100なので良質であるとわかります。たんぱく質の量も豊富で、約50〜60gの卵1つあたり、含まれているたんぱく質は約6.2gです。また、卵の脂質には、必須脂肪酸であるリノール酸が豊富に含まれています。 -
牛乳
牛乳はカルシウムのイメージが強いですが、アミノ酸スコアも100と良質なたんぱく質を含んでいるとわかります。牛乳だけでなく、発酵させて作ったヨーグルトやチーズのアミノ酸スコアは100です。 -
豆腐
豆腐もたんぱく質が豊富な食品として知られています。豆腐はアミノ酸20種すべてが含まれており、バランスのよい良質なたんぱく質です。アミノ酸スコアは100で、必須アミノ酸も豊富に含まれています。 -
豆乳
大豆は植物性であっても、含まれるアミノ酸は豊富です。大豆から作られた豆乳もアミノ酸スコアは100で、良質なたんぱく質だといえます。ただし調製豆乳や味付きの豆乳は、砂糖が多く含まれているので飲みすぎには注意しましょう。
サプリメント・健康食品ならアミノ酸を簡単に摂取できる
健康を気にするからこそ、アミノ酸を効率よく摂取したいですよね。普段の食費からもアミノ酸を摂取できますが、偏った食生活では足りない場合もあります。
そこでおすすめなのが、サプリメントや健康食品からのアミノ酸摂取です。免疫を高めたいのであればグルタミンとアルギニンがメインに含まれているものを、運動時の疲労軽減が目的であれば、BCAAを含んでいるものを選びましょう。
アミノ酸のさまざまな効果を得たいのであれば、アミノ酸がバランスよく含まれているサプリメントや健康食品がおすすめです。例えば海藻に含まれるフコイダンは、必須アミノ酸だけでなくアミノ酸をバランスよく含み、最近注目されている成分です。
食事では栄養が偏っていると感じている方は、バランスのよい食事が一番ですが、まずはサプリメントや健康食品からアミノ酸を摂取してみてはいかがでしょうか?
アミノ酸を摂取する時のポイント
アミノ酸は、たんぱく質が豊富な食品を摂るだけでいいのでしょうか? ここでは、アミノ酸を摂取する際に知っておきたいポイントを紹介します。
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多様な食品を組み合わせて摂取する
たんぱく質を摂る際は、アミノ酸スコアを意識しましょう。アミノ酸スコアが高い食品だけを摂取すればよいのではありません。私たちの体は、アミノ酸以外にも必要な栄養素があるため、さまざまな食品を組み合わせてアミノ酸スコアを上げることがおすすめです。 -
運動する前や後に摂取する
運動によりエネルギーが必要な場合は、体内のアミノ酸が使用されます。体内のアミノ酸が足りないと、代わりに筋肉が分解されエネルギー源として使用されます。 体内のアミノ酸の不足を防ぐためにも、運動する前後にアミノ酸を摂取しましょう。特に必須アミノ酸を含むBCAAがおすすめです。運動途中の摂取であっても、効率よくエネルギー源として使用されます。 -
摂りすぎに注意する
アミノ酸の摂りすぎには注意しましょう。食事から摂る場合、消化する過程においてたんぱく質を含む食品の摂りすぎは内臓への負担となります。 過剰なたんぱく質は、体内で分解され窒素となります。窒素は体内でアンモニアに変わり、体外に排出されますが、その過程で肝臓や腎臓の働きが必要です。摂りすぎることで、窒素やアンモニアを解毒する過程での負担が増えて、内臓疲労につながってしまいます。 たんぱく質を多く摂ろうとたくさん食べてしまうと、カロリーや脂肪分を多く摂りすぎる場合もあるので注意しましょう。
まとめ
アミノ酸について解説しました。アミノ酸はたんぱく質を構成する成分で、健康的な体を作るために大切です。 食品として摂る際は、海藻や肉類、豆腐などアミノ酸スコアが高いものを意識して選ぶことをおすすめします。
また、忙しくてなかなか良質なたんぱく質を摂れていないという方は、気軽にはじめられるサプリメントや健康食品を取り入れてみるのもよいでしょう。 アミノ酸を意識して、健康な毎日を手に入れましょう。