【健康を手に入れる】毎日できる手軽な運動の具体的な方法を解説
「健康のために運動を始めたけど続かない」「運動を始めたけど効果が実感できない」そのような方は多いのではないでしょうか。
それは運動と健康の関係性を知らず、健康につながる運動方法を実践していないからかもしれません。
この記事では、運動が健康につながる理由と、日常生活に取り入れやすいおすすめの運動方法を解説します。
運動はなぜ健康にいいの?
運動が健康にいい理由は、体力や筋力の維持・向上ができ、無駄なエネルギーの消費や蓄積した脂肪の代謝につながるからだと考えられています。特に肥満はさまざまな病気の原因となります。運動不足で筋力が落ちていたり、肥満傾向があると生活習慣病の一因にもなります。
- 血圧が高い
- 血糖値が高め
運動は肥満が原因となる疾患の予防効果が期待され、健康につながると考えられています。
また現在何らかの病気に悩まされていたり、不調を感じたりしていても、運動習慣をつけることで健康的な体に導けることもあるでしょう。
運動習慣がある人とない人の違い
運動がなぜ健康につながるのか?実際にさまざまな研究でも運動習慣があることは、体に対して好影響を与えることがわかっています。有名な研究のひとつに、運動習慣がある人とない人の「死亡率」を調査したものがあります。多目的コホート研究の研究結果によると大きな違いがありました。
身体活動量が最も多い群と最も少ない群とを比較した場合、最も多い群の死亡リスクは、男性で0.73倍、女性で0.61倍と大きな低下がみられました。
(引用元:多目的コホート研究|国立がん研究センター)
死因別でみても、男性はがん死亡リスクが身体活動最大群で0.80倍、心疾患死亡リスクは最大群で0.72倍と低下しています。
女性では、がん死亡リスクが身体活動最大群で0.69倍と大きく低下しているのです。
また運動習慣は、日常生活に制限なく1人で生活ができる状態の「健康寿命」の延伸にとても重要な役割を果たします。
内閣府の調査によると、令和元年の健康寿命は男性で72.68年、女性で75.38年です。
一方、平均寿命は男性で81.41年、女性で87.45年と健康寿命との間に開きを認めています。
(平均寿命とは0歳における平均余命のこと)
高齢者の健康寿命を脅かし、介護が必要な状態になる原因として最も多いものが、「骨折・転倒」と「関節疾患」の2つを合わせた運動器障害です。
「下肢の筋力は加齢により急速に低下する」と数多くの研究で証明されています。
下肢の筋力とバランス力を維持し、運動器障害の発症を防ぐことができれば、介護を必要とせず健康寿命を伸ばすことにつなげられるでしょう。
つまり下肢の筋力低下を極力起こさないようにするために「定期的な運動の習慣」は、とても重要だということが研究データからも証明されているのです。
病気の要因や、今ある不調を改善に導く
運動は病気の要因や、現在抱えている不調を改善に導く効果が期待されます。 厚生労働省の資料を参照すると、以下のような16の効果があるといわれています。運動で予防や改善が期待できるものの多くは、生活習慣病です。
糖尿病や脂質異常症、高血圧といった病気は一度発症すると予後がよくないことも多く、心筋梗塞や脳梗塞といった致死性の疾患へとつながる危険性が高いのです。
だからこそ運動を取り入れて、病気発症の予防につながる健康な体の維持を目指す必要があります。
最適な運動量と頻度の解説
最適な運動量と頻度は年齢によって変化します。厚生労働省が提唱する健康日本21では、運動量と頻度の目標を以下のように設定しています。
年齢 | 運動内容 |
---|---|
18〜64歳 | 日常生活で体を動かす場合、普通歩行を毎日60分以上 (歩数換算にすると8000〜10000歩) 運動は、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上 |
65歳以上 | 日常生活で強度を問わず、横になったまま、座ったままにならないように意識する どんな動きでもいいので毎日40分以上体を動かすことを意識する |
このように具体的に数値化されると運動の目標ができ、取り組みやすくなるはずです。意識的に時間を作れるとよいのですが、難しい場合は日常生活でどのように自然に取り組めるのか方法を思案するのも大切です。
日常生活の中で無理なく継続・習慣化が大切
運動を始めるにあたって習慣化するのが大切ですが、うまく続けられない場合には以下のような原因があります。- 目標が高すぎて習慣化できない
- 忙しくて運動をする時間が取れない
アスリートのように目標を高く設定する必要はありません。
まずは下記の参考として記載している厚生労働省のアクティブガイドで推奨する「+10(プラステン)」を意識してみましょう。
「今より10分多く歩く」これだけでも運動時間が増えて健康へとつながる一歩です。これだけであれば「いつも降りる駅を1駅前で降りて歩いてみる」「移動にはエレベーターを使わずに階段を使う」というような、ちょっとした意識の変化だけで簡単に実践できるはずです。
毎日の生活の中で自分にあった運動を取り入れ、今自分の備わっている運動機能が加齢とともに損なわれないようにすることが大切です。
参考: 厚生労働省アクティブガイド「+10(プラステン)」
超具体的な方法論のアドバイス!おすすめの運動は?
日常生活の中に運動を取り入れる方法を、65歳以上の人を対象にした身体活動指針(アクティブガイド)を参考に具体的に紹介していきます。【隙間時間運動】
日常生活の中で隙間時間を有効活用しましょう。一例を紹介します。
午前中 |
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午後 |
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スクワット
筋トレとしておすすめなのがスクワットです。下半身が鍛えられるので、運動器障害の発症予防につなげる効果が期待できます。
足腰に不安がある方は椅子などにつかまりながら行いましょう。
①肩幅くらいに足をひらく
②つま先と膝が同じ方向に曲がるようにゆっくり膝を曲げる
③膝を曲げた姿勢を1秒キープし、元の位置にゆっくり戻す
②つま先と膝が同じ方向に曲がるようにゆっくり膝を曲げる
③膝を曲げた姿勢を1秒キープし、元の位置にゆっくり戻す
膝の角度は45度程度で、膝がつま先より前に出ないように意識するのがポイントです。
膝伸ばし
テレビをみながらの「ながら運動」におすすめなのが膝伸ばしです。①椅子に座って背筋を伸ばす
②片足の膝をゆっくり、できるだけ前に伸ばす
③膝が伸びたらつま先を頭の方へ向ける
④ゆっくり戻して反対の足も同じように行う
②片足の膝をゆっくり、できるだけ前に伸ばす
③膝が伸びたらつま先を頭の方へ向ける
④ゆっくり戻して反対の足も同じように行う
どれも簡単に行えて日常生活に取り入れやすいものなので、意識して実践してみてください。また時間に余裕があり、運動初心者におすすめなのが「散歩」です。散歩は膝や腰にかかる負担が少なく、特別な道具が必要ありません。腕を振り姿勢を正して歩くことを意識しましょう。
超具体的な運動習慣の成功事例の紹介
運動習慣が身につき、体調や身体に変化を実感した方の体験談をご紹介します。・万歩計をつけて日々の歩数記録をとることで運動習慣が身につき、骨密度改善につながった方の体験談です(一部抜粋して紹介します)
「退職して時間的にゆとりができた時、運動への関心が高まりました。体力測定から、万歩計をつけて毎日の歩数の記録をするようになりました。
そんな中、65歳の時の骨密度検査は退職時よりも年齢的にも低下していてました。その結果を踏まえ、3年間で退職時の数値にアップさせることを目標に食生活は勿論のこと、運動を継続(ウォーキング)しました。
その結果、3年後の検査で退職時の数値までにアップ‼継続は力なりの実践効果です。
それ以降、数値はコンスタントに維持されています。
筋力をつけることで、血流を改善し骨粗鬆症を予防できることが確認できました。』
(引用元:健康づくり体験談|栃木県後期高齢者医療広域連合)
・ウォーキングを継続することで高血圧の改善につながった方もいます。(一部を抜粋して紹介します)
『ウォーキングを始めたきっかけは健康診断で高血圧と腎機能の低下を指摘されたから。「1日1万歩の継続」を目標にウォーキングを始めました。コツは「1日の歩数は合計値にすること」。自己流ウォーキングと食事管理も継続して、始めの頃150台あった血圧が半年位で130台になり、今では3ヶ月毎の受診でも120台を安定維持するまでになりました。』
このように地道な一歩が今ある不調を改善に導き、健康につながる道筋になるのです。
(引用元:健康づくり体験談|栃木県後期高齢者医療広域連合)
まとめ
「運動は健康にいい」ということは、死亡率の低下や生活習慣に起因する疾患の予防につながることがわかりました。しかし、運動は継続しないと意味がありません。毎日の生活の中で、自分に合った運動を取り入れ継続するのが重要です。
- 自分の生活の中でできることから始めてみる
- 無理な目標を立てずに気負いすぎない
今の不調や運動不足を改善し、介護を必要としない健康な体を維持したいですね。