海藻に含まれる「ラムナン」の健康パワーを解説!
「海藻は体にいい」というイメージがある人も多いでしょう。
実は、海は健康パワーの宝庫。なかでも今注目を集めているのが、海藻です。 一部の海藻の中には、生活習慣病の予防につながるサポートや、体の状態を健やかに保つ手助けをする成分が含まれることがわかっており、日常的に摂取する人も増えています。
海藻の健康パワーとしてかねてから注目されている「フコイダン」と似た物質として今注目を集めているのが、ヒトエグサ(アオサ海苔)に含まれる「ラムナン」。この2つはとても似た構造をしているため、ラムナンにも高い健康効果があることもわかっています。
昨今の健康ブームで、薬やサプリメントに頼らず、自然な食材で健康的な体づくりをしたいという方も多いでしょう。
今回はアオサ海苔に含まれる「ラムナン」という成分について、詳しく解説していきます。
ラムナンってなに?海藻で追求する健康パワーを摂取する
「ラムナン」とは、アオサ海苔に含まれる食物繊維です。昆布やもずくなどと比べると、アオサ海苔はあまり知られていないため、なじみが薄いという方も少なくないはず。
国内で生産されているアオサ海苔の半数以上が三重県で生産されており、お味噌汁の具や酢の物、佃煮などで食べられることが多いです。最近では大手のスーパーなどにも置かれるようになり、手軽に入手できるようになってきました。
近年、アオサ海苔に含まれるラムナンという物質には、健康や美容にも良いとされる成分が多く含まれていることがわかり、注目を集めています。
ラムナンは日本人になじみ深い海藻に含まれる健康をサポートする成分
ラムナンとよく比較されるものに、もずくやめかぶ、昆布などに含まれる「フコイダン」があります。海藻を調理する際に、包丁にネバネバしたものがつくことがありますよね。この粘り成分こそが「フコイダン」の正体です。
ラムナンとフコイダンが比較されるのは、同じ海藻由来だからという理由だけではありません。ラムナンとフコイダンの構造はとても似ていることも研究で明らかになりました。研究によってフコイダンは、美肌効果や生活習慣病予防のサポートも期待できるとされているので、同じような健康効果が期待できるとされています。
「硫酸多糖体」が健康パワーにつながる
フコイダンやラムナンは「硫酸多糖体」と呼ばれる構造をしている食物繊維の一種です。多糖体というのは、糖が網目のような構造でたくさんつながっているもの。
その網目のところどころに「硫酸基」が付着していることから、「硫酸多糖体」と呼ばれています。
九州大学の研究では、フコイダンの健康効果は糖の硫酸含有量と密接な関係もあることがわかっています。フコイダンのさまざまな健康パワーは、硫酸基の数に依存するというのです。
そのため、硫酸基が多く含まれる「硫酸多糖体」という構造が、高い健康効果の秘密と言えるでしょう。
ラムナンの構造
(参照:ラムナンとは…|ラムナン研究所)ラムナンは「ラムナン硫酸」とも呼ばれていて、構造上フコイダンと同様に多くの硫酸基を含んでいます。
フコイダンの健康効果は含まれる
硫酸基の量に依存するため、多くの硫酸基を含むラムナンにも、高い健康効果が期待されています。
また、アオサ海苔にはラムナンが約50%も含有されていることが判明。その含有量の多さも、注目を集めている理由です。
期待されている健康パワー
研究が進み、フコイダンと似た構造体を持つことから以下の健康パワーがあるのではないかと期待され研究が進められています。- 抗血液凝固作用
- 抗ウイルス
- 血管内皮細胞における抗炎症作用
- 抗肥満作用
- 便秘改善
- 美肌効果
2021年三重大学の研究では、ラムナンには腸内フローラを整えてくれる作用もあることがわかりました。
分子病態学の専門家、鈴鹿医療科学大学の「鈴木宏治」教授もラムナンの健康パワーに着目し研究を進めています。その研究結果から「海藻(ラムナン)で健康寿命を延ばす! ラムナン硫酸がウイルス感染や生活習慣病から血管を守る」という書籍で、ラムナンの健康パワーについて解説しています。
ラムナンだけでウイルス対策や生活習慣病予防など多くの効果を期待できることも、注目される理由のひとつと言えるでしょう。
日本人になじみ深い「海藻」は健康パワーの宝庫
日本は海に囲まれた国です。お味噌汁にはわかめを入れ、昆布で出汁をとるように、海藻は日本人にとってとてもなじみ深い食材。酢もずくやめかぶを日常的に食べている方も多いのではないでしょうか。
日常的に食べている食材で健康が目指せるのであれば、無理せず習慣化することもできますよね。ここでは、ラムナンやフコイダンの利点と効率よく摂取する方法を紹介していきます。
硫酸多糖体が健康パワーの秘密。代表的な物質は「ラムナン・フコイダン」
フコイダンとラムナンは「硫酸多糖体」という構造をしています。これが高い健康効果を生み出している秘密です。また、ラムナンとフコイダンが注目を浴びている理由として、天然成分であることは見逃せません。
私たちが普段口にしている食べ物には、人工甘味料や保存料が使われているものがほとんど。
現在の技術では、硫酸多糖体を人の手で作ることはできません。
生活に取り入れやすい食材でなおかつ天然成分であるラムナンは、体にいいものをとりたいと考えているオーガニック志向の方にもうれしい成分です。
ラムナン・フコイダンの比較表と手軽に取れるおすすめ食材
ラムナンはアオサ海苔から、フコイダンはもずくやめかぶからと、摂取できるものが異なります。2つにはどのような違いがあるのでしょうか。これまでの様々な研究結果により確認された、それぞれに期待される効果も含めて見ていきましょう。ラムナン | フコイダン | |
分子量 | 数万〜数百万 | 20〜30万 |
抗ウイルス作用 | ◎ | ◎ |
生活習慣病予防効果 | ◎ | ◎ |
美肌効果 | ◎ | ◎ |
便秘改善効果 | ◎ | △ |
胃の粘膜を保護 | × | ◎ |
抗アレルギー作用 | × | ◎ |
(参考:メディフコイダンドリンク、ラムナン研究所)
このように、同じ構造をしているだけあってラムナンとフコイダンはとても似た性質があることもわかります。
ひとつの食材からここまでの健康パワーが得られるのは、他の食材ではなかなかありません。
ラムナン・フコイダンの健康パワーの享受には分子量にも着目
表の中で分子量を記載していますが、ラムナンもフコイダンも分子量が1万を超える高分子量の物質です。もともと食物繊維であるラムナンとフコイダンは消化酵素で分解されず、分子量が大きいことで腸でも吸収されにくいとされています。
つまり、健康パワーの恩恵を受けようと海藻をたくさん食べたとしても、食べた分を全て体に吸収することはできないということ。
実際のところ、食材からラムナンやフコイダンを体内に取り込むのは難しいというのが現実。分子量が大きすぎるのです。
そこで誕生したのが、分子量をおさえて体内に取り込みやすくした「中分子フコイダン」。
残念ながらラムナンを中分子化した製品はまだほとんどありません。
研究が始まるのが早かったフコイダンは、健康効果を損なわずに体に吸収しやすく加工した健康食品が開発されています。
海藻からの健康パワーを体に取り入れやすくした「中分子フコイダン」をふんだんに使用した「メディフコイダン」。もずくやめかぶをたくさん食べるより格段に効率よく海藻の健康パワーを享受したい人におすすめです。 https://medifucoidan.com/products/medi-fucoidan-drink#product
まとめ
お味噌汁の具や海苔の佃煮としてなじみの深いアオサ海苔には、「ラムナン」という高い健康パワーが期待できる物質が含まれています。難点は、分子量が大きく体への吸収効率が悪いこと。
ラムナンをたくさんとりたくても、アオサ海苔をたくさん食べるのはあまり得策とは言えません。
そこでおすすめなのは、中分子化した製品を利用することです。ラムナンより以前からその健康効果が注目され、研究が進められてきたフコイダンは、体に吸収しやすいように「中分子」に加工された製品も展開されています。
ラムナンを中分子化した製品はまだ少ないですが、これらの開発にも期待が高まります。 あなたも海藻を取り入れて、健康的な毎日を過ごしてみませんか?