【フコイダンの健康パワー】上手に活用するための選び方とは
さまざまな健康パワーで注目されている「フコイダン」。そのもととなる材料や加工方法により、享受できる健康パワーにも違いが出てくるのはご存じでしょうか?
この記事では、フコイダンの特性から見てより多くの恩恵を受けるためのフコイダンの選び方や、健康パワーの秘密に迫ります。
フコイダンの選び方のポイントをおさえて健康パワーを充分に享受したい人に向けて、上手なフコイダンの選び方を解説します。
健康パワーにつながるフコイダンが注目されている理由
近年、さまざまな健康パワーを秘めているとされ注目を浴びている「フコイダン」。1913年にスウェーデンのキリン教授に発見されて以来、数々の研究者がその成分の解明に心血を注いでいます。
フコイダンは褐藻類と呼ばれる海藻に含まれています。もともとは海藻が傷を負ったときや水上に出てしまったときに乾燥を防ぐため、自らを守り抜くことを目的として分泌しました。
その性質に着目し、近年ではさまざまな美容や健康のサポートにつながる成分として、研究・利用されていますが、その全容はまだ明らかにされていません。
フコイダンとは主成分がフコースの高分子多糖類
フコイダンはもずく、わかめ、昆布などの褐藻類に含まれるぬめり成分。化学構造的には硫酸化フコースを主とする高分子多糖類です。フコースのほかにも「ガラクトース・マンノース・キシロース・ウロン酸」なども結合しています。フコイダンという名称そのものは同一構造体に付けられるものではなく、主成分がフコースである高分子多糖類の総称とされています。
ですので、一言にフコイダンといっても、その化学構造にはばらつきがあるのです。採取する種類や場所、時期、さらに個体の成長具合によって異なります。
より良質なフコイダンを選び、恩恵を受けるには?
同じ海藻類でも、個体差が大きいフコイダンの含有量や質。良質なフコイダンを選び、その健康パワーの恩恵を存分に享受するには、より成分のいい原材料を選びたいところです。褐藻類に含まれる成分ですが、海藻によりフコイダンの含有量は異なります。
【海藻によるフコイダン含有量の違い】
海藻 | めかぶ | わかめ | もずく |
---|---|---|---|
1kg当たりのフコイダン含有量 | 100g | 15g | 250g |
このように比較してみると、圧倒的にフコイダンの含有量が多いのは「もずく」です。フコイダンを食材から摂取しようと考える場合には、もずくを活用してみるとよいでしょう。
また、フコイダンの健康パワーを享受するために、最近ではさまざまなフコイダン製品も販売されています。サプリメントや健康食品として加工されたものも市場に出回っていますが、その際もフコイダンの含有量にこだわるなら、もずくが原料になっているものを選ぶとよいでしょう。
できればその際に、もずくの産地にも注目したいところ。同じもずくでも、より良質で豊富なフコイダンを求めるなら、「トンガ産」のもずくを原材料にしている製品がおすすめです。実際にフコイダンの健康パワーについて研究している著名な研究者たちも、トンガ産のもずくに強い関心を寄せています。
トンガのもずくが生育する環境は不純物が少なくミネラルも豊富で質のいいフコイダンが摂れる
トンガは南半球にある南太平洋上にある小さな島国の一つ。地図上のエリアとしては「オセアニア」に位置しています。トンガは気候の温暖な地域で、もずくの生育に非常に適しています。暖かな日差しが降り注ぐ中にある、きれいなサンゴ礁も有名です。
特筆すべきは、その海流の清らかさ。南極から流れてくるミネラルが豊富で汚染の少ない海域で自生するトンガの天然もずく。他の地域で採取されるもずくよりもミネラルが豊富で体に害をなす重金属類の検出も見られない、非常に栄養価の高い良質なもずくに育つのです。
さらにトンガ産のもずくは、さまざまな調査結果からトンガ周辺でのみ生息できる新種であり希少種であることもわかっています。
もずく漁が「手取り」なので、フコイダンの流出が少ない
トンガのもずくが良質な理由はもう一つあります。トンガのもずく漁は、全てダイバーが海に潜って直接漁をする「手捕り」です。
もずくは前述した通り、体に傷がつくと自己修復能力によりフコイダンを分泌し、自らを癒そうとします。機械でもずくの収穫をすると、もずく自体に傷がつきせっかくの良質なフコイダンも流出してしまうケースもあるようです。
手捕りで収穫をすることでもずくに傷がつきにくく、フコイダンの流出も最小限で済みます。良質なフコイダンをできるだけ損失しないためにも、漁の仕方にもこだわりを持った産地を選ぶとよいでしょう。
フコイダンの健康パワーをより多く享受するには中分子フコイダンを選ぶ
フコイダンの健康パワーをより効率的に活かすにはその分子量にも着目しましょう。近年では、フコイダンの加工技術により分子の大きさを調整できるようになりました。フコイダンは冒頭にも紹介した通り、何も加工を施さなければ「高分子多糖類」です。
高分子フコイダンは分子が大きく腸管以外での健康パワー発揮にはやや弱い
フコイダンは加工されない状態だと「高分子」に分類されます。分子量としては約200,000〜300,000。「高分子」とは糖が10個以上結合した状態。高分子だとフコイダンの性質そのままの状態を維持できるので、フコイダンの健康パワーを存分に発揮できると期待できます。
しかし一方で、大きすぎて消化管からの吸収効率はいまいち。消化管からの吸収を経て効果の発揮を期待したい場所にはなかなか届かない、吸収率という課題が残されていました。
低分子フコイダンは分子量が小さく吸収率はいいものの本来の健康パワーが弱くなる
従来のフコイダンだと分子が大きすぎて消化管からの吸収効率がいまいちだったフコイダン。「消化管からの吸収率に着目するなら、吸収しやすいように加工すればいい」と考えられ加工されたのが「低分子化」したフコイダンです。
低分子化するためには、分子を壊すことなく加工できる酵素が用いられ分子量は約1,000未満にまでおさえる加工が施されました。健康パワーのサポートに使用されてきましたが、実際には分子量が小さくなりすぎて、フコイダンが本来持っている機能を存分に発揮できない実験結果も見られたのです。
中分子フコイダンは腸管からの吸収もよくフコイダンとしての質も安定
研究者の間では、「フコイダンの効果を追求する高分子」か「吸収されなくては意味がないのでまずは吸収される形態の低分子」かで長らく議論が繰り返されてきました。
しかし近年、そのどちらの効果も追求するためにフコイダンの「中分子化」に成功したのです。分子量1,000〜10,000程度。健康パワーをしっかりと享受できるよう研究者たちが努力を重ね、失敗と改良を繰り返した結果、成功した希少価値の高い技術です。
- 吸収されにくかった高分子だけど健康パワーは維持
- 吸収は速やかだが、健康パワーにはやや力不足な低分子
そのどちらの問題もクリアしたのが「中分子フコイダン」。現在のところ理想的なフコイダンの健康パワーを享受できる形態です。
たくさんあるフコイダン製品の中から選ぶときには「ヨウ素」の含有量にも気を付けましょう。
フコイダンの健康パワーを享受する際に、手軽さや成分濃度を追求するならサプリメントや健康食品を活用するのもおすすめ。しかしその際に、海藻原料であるが故の「ヨウ素」の含有量には気を付けたいところです。
日本人は古くから、海藻類を食する文化があるので、体内のヨウ素含有率は比較的充実しています。サプリメントや健康食品として摂取し、もしその製品に「ヨウ素」が含まれていたならば、習慣的に摂ることになるでしょう。普段から充足した状態で「ヨウ素」の+αの摂取が続くと「ヨウ素過剰症」の一因になってしまうかもしれません。
サプリメントや健康食品としてフコイダン製品を摂取する場合には、ヨウ素が含有されているかどうかに気を配りたいところです。
まとめ
さまざまな健康パワーが秘められている「フコイダン」。その恩恵を良質なもので効率よく受けたいのなら、フコイダンの選び方にも気を配りましょう。
確認しておきたいのは以下のポイント。
- 原材料
- 原材料の産地
- フコイダンの分子量
これらをおさえておくことで、フコイダンの健康パワーを充分に感じられ、効率的に健康サポートに活用できるはずです。
毎日の健康につながる習慣の1つとして、上手なフコイダン選びをしましょう。