天然もずくといえばトンガ|その魅力をご紹介
日本人になじみ深い食材として人気の「もずく」。国内で養殖されるようになって簡単に手に入れられるようになってきましたが、天然のもずくはまだまだ貴重です。親日国「トンガ」では良質な天然もずくを採取できるのはご存じですか?
この記事ではその生育環境や採取方法までを網羅した「もずくにとって優れた環境」であるトンガ産の天然もずくについて紹介しています。
より良質なもずくについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
トンガ王国について
もずくの産地として有名な「トンガ」。正確な国名は「トンガ王国」で首都は「ヌクァロファ」です。
立憲君主制で、現在の国王は「トゥポウ六世」が世襲しています。公用語は英語とトンガ語です。
トンガの位置
トンガは南半球にある南太平洋上にある小さな島国の一つ。4つの諸島・大小172の島国より成り立っている日本と近い島国諸島を国土としています。オーストラリアのクイーンズランド州の東方にあり、日付変更線のすぐ西側に位置しています。
地図上のエリアとしては「オセアニア」に位置し、日本との時差はおよそ4時間足した時間。日本からトンガに行く場合、オーストラリアやフィジー・ニュージーランドから経由便を利用して訪れる必要があります。
トンガの歴史
トンガは歴史も古く、その始まりは3000年以上前より始まります。過去、周辺の南太平洋に位置する小さな島々がヨーロッパの勢力に押され、数々の国が植民地となりました。しかしトンガは、イギリスの保護領にはなりましたがこれまでに一度も植民地になっていないという類まれな歴史を持った国です。その後1970年にはこの保護領からの独立も実現しています。
先の東京オリンピックでもトンガ人選手団の旗手が上半身裸で登場したのは有名な話ですよね。2018年の平昌大会開会式でもトンガ人選手は民族衣装を身にまとい極寒の中上半身裸で臨みました。その姿勢からは、彼らの愛国心が伺えます。
現在では南太平洋の最後の王国といわれ、立憲君主制で行政は執り行われています。過去は国王からの首相の指名制でしたが近年は選挙で選出。王政と民主制をうまく調和させることを目指しています。
トンガと日本の関係
日本とトンガは、物理的な距離はありますが双方の国で積極的に交流を深めてきた友好国。島国から成り立ち、地震や台風、噴火などの自然災害も多いことなど、日本に似通った風土事情も親近感につながります。
貿易だけではなく教育支援も日本は積極的に行っていて、1989年にそろばん隊員が派遣されたのは有名な話です。現在、トンガではほとんどの小学校教育でそろばんの授業が取り入れられています。
また、トンガで人気のスポーツは「ラグビー」。現在では日本のラグビーチームにトンガの選手も加入し、日本のラグビーも世界の強敵国に肩を並べられるようになりました。実はこの日本とトンガのラグビー交流が始まったきっかけはそろばんだったのです。
また、トンガは農水産業や観光業も盛んです。日本に向けてココナッツやカボチャ、海産物なども輸出しています。また、日本からは中古車の輸入を積極的にしています。実際にトンガで利用されている自動車のほとんどは日本製です。
トンガの気候
トンガは南大西洋の赤道寄りの場所に位置しています。気温帯は「熱帯雨林気候」で、年間の平均気温は首都ヌクァロファで24〜26℃、年間の平均降水量はおよそ140〜160mmです。
夏は蒸し暑くじめじめしていますが冬は暖かく、乾燥も気になりません。年間を通して湿度が高い傾向にあります。
日本人が訪れることを考えると、観光しやすいのは3月〜6月。また、夏場を避けた10月以降も比較的過ごしやすい気候であると言えるでしょう。
もずく以外の名産品
トンガでは温暖な気候を生かした農産物や水産業が盛んです。とくにココナッツは良質で、オイルだけではなくエッセンスを利用した美容製品もハイクオリティ。ココナッツの殻で作られた伝統工芸品も人気です。
また、クリームやアイスの香り付けに人気のある「バニラビーンズ」も生産。2016年には世界第8位の生産量を誇り、その豊かな香りは世界のパティシエにも高い評価を得ています。
トンガ王国産もずくの特徴
もずくは暖かい気候の海で生育するので、トンガの海にもたくさんのもずくが自生します。日本では養殖のもずくが多いのですが、トンガのもずくは天然です。
汚染が少ない海で自生した天然のもずく
トンガの海には、現在でも非常に美しく豊かなサンゴが生息しています。とくに「トンガタプ」周辺のダイビングスポットはサンゴの群生地があるだけではなく、イルカやウミガメにも季節問わず会える場所として有名。
南極から流れるミネラル豊富で清らかな海流が流れるトンガ周辺の海域は、水質汚染が少なく重金属類の検出がなされない「もずく」にとって魅力的な環境。良質な海が天然のもずくを育みます。
美しく豊かな海で育ったもずくは自然由来のミネラルを多く含み、養殖のもずくよりもたくさんの栄養成分を手軽に摂れる貴重な食材として重宝されています。
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もずくに含まれるフコイダンの量が多い
さまざまな元気の実感につながる成分として注目を浴びているフコイダン。フコイダンは海藻に含有されるぬるぬる成分です。わかめや昆布にも含まれますが、その中でももずくの含有量は随一。
- めかぶ:100g/kg
- わかめ:15/kg
- トンガ王国産もずく:250g/kg(乾燥重量参照)
もずくは最もフコイダンの含有量が多い海藻類として知られますが、なかでも トンガ王国産もずくにはフコイダンが豊富に含まれることが分かっています。
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もずくはダイバーが手作業で採取している
日本ではもずくを採取するときに、掃除機のような吸引機を使用します。当然ですが機械採取するとその際にもずくは傷つき、外傷から守ろうとしてもずくの中にある貴重な「フコイダン」が流出します。
トンガのもずくはダイバーがていねいに手作業で採取。余計なストレスをもずくに与えず、良質なフコイダンをそのまま採取し栄養素が高い状態で私たちの手元に届けることもできるのです。
また、目で見て成長度合いや生育状況も判断し、採取の可否をつけています。より良質なもずくを厳選して届けられるのも伝統的な漁である「ダイバーの直どり」だからこそです。
健康食品や化粧品などの材料として人気
もずくに含まれるフコイダンは硫酸基にフコースやガラクトース、グルクロン酸などが結合した成分。その成分はさまざまな健康につながる効果や美容をサポートする成分として着目され、今なお人気です。
健康食品として手軽に摂取できるサプリメントや高い保水力に着目され、さまざまな美容用の化粧品にも含有されています。
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トンガ王国産もずくの種類
トンガで採取されるもずくは、さまざまな調査結果から現在ではトンガ周辺の海域にのみ自生できる新種・希少種であるという見方が強まっています。分類学的には沖縄もずくに近いものではあるのですが、厳密にいうと違いもあり「色素がやや薄い」点や「弾力が高い」点などは異なります。
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まとめ
もずくの産地といえば「日本」のイメージが強いと思います。しかし親日国である「トンガ」も世界有数のもずくの産地です。南半球の海流で育まれる、日本とは異なった生育環境や独特の海流で育まれる天然もずくは栄養素も豊富で非常に良質です。
健康につながるだけではなく、美容面でも大きな効果を期待できるもずく。
その秘密は、もずくに含まれるフコイダンという成分にあります。美と健康に関心がある方は、ぜひ積極的にフコイダンを摂取していきたいですね。
下記の記事では、フコイダンの健康パワーや効果的な摂取の仕方をご紹介しています。ぜひ参考にして、生活にフコイダンを取り入れてみてはいかがでしょうか。