もずくとめかぶの違いと共通点、おすすめの食べ方をご紹介
「もずくとめかぶは何が違うんだろう?」
「もずくやめかぶって健康にどういいんだろう?」
もずくやめかぶが海藻であることは知っていますが、違いや共通点について答えられる人は多くありません。
この記事では、栄養がたっぷりのもずくとめかぶについて解説します。おすすめの食べ方も紹介するので、毎日の食卓に取り入れてみましょう。
もずくとめかぶの違い
もずくとめかぶの違いをご存じですか?同じ海藻であることや、食感が違うことはよく知られています。ここでは、もずくとめかぶの違いやそれぞれの特徴をみていきましょう。
海藻の種類
もずくとめかぶは同じ海藻類でも種類が異なります。もずくは褐藻類で、モズク科やナガマツモ科です。また、もずくをさらに分けると3つの種類があります。沖縄で採られる「沖縄もずく」と「糸もずく」そして「岩もずく」です。流通されているもずくのほとんどが「沖縄もずく」です。
めかぶは、わかめの根元部分を指します。わかめは、上部にあるひらひらとした葉っぱの部分です。同じ植物でありながらも、食感などが異なることが特徴的です。分類としては、褐藻綱コンブ目チガイソ科ワカメ属に属します。もずくと同じ褐藻類です。
味
もずくやめかぶの味は、基本的には無味です。味付けしていない場合は塩分が少なく、海藻独特にある磯の香りがします。塩蔵することで塩味が出ます。
もずくは、味付けをされている場合が多くあり、三杯酢やもずく酢、黒酢、沖縄の食材にあわせてシークヮーサー味のタレなども。お酢の酸っぱさが苦手な方には、甘めのタレがおすすめです。
食感
もずくは、糸状の細長い枝分かれをした形をしています。沖縄もずくは、シャキッとした歯ごたえが特徴的です。もずくそうめんといって、チュルルと麺のように食べる方法も。糸もずくはツルッとした食感が強く、岩もずくはヌメリが少ないので歯ごたえを感じます。
めかぶは、わかめの根元の肉厚な部分なのでコリコリとした食感です。トロッとしたヌメリも特徴的。線状や細かくカットすることでネバネバ感が増します。
値段
東京都中央卸売市場において、2022年7月のもずく1キロあたりの卸値は月間平均485円です。また、ネット通販だと1キロあたり800円台から。よくスーパーマーケットでみるカップに入ったもずく酢は300円前後です。
細切りめかぶは、スーパーマーケットでは200円前後で販売されています。1キロあたりだとネット通販では1000円程度で見つけることが可能です。
賞味期限
加工されたもずく製品の賞味期限は、7-20日間程度。塩蔵されている生もずくの賞味期限は、冷蔵保存で14-21日間です。また、冷凍保存だと180日間程度。塩抜きされているもずくの賞味期限は塩蔵もずくより短くなります。
市場などで販売されている生めかぶの冷蔵保存での賞味期限は約2−3日なので、食べきれない場合は、冷凍保存しましょう。冷凍保存の場合の賞味期限は約30日です。
生産地
もずくの生産地は、沖縄が99.7%を占めます。2020年における養殖したもずくの水揚げ量は、全国では24,305トン。そのうち沖縄県は24,223トンでした。次に多いのが鹿児島県ですが、水揚げ量は8.1トンと沖縄県のシェアがほとんどであるとわかります。
また、天然もずくの産地として有名なのがトンガ共和国。トンガ共和国で採れるもずくは、海藻類の注目成分である「フコイダン」が豊富に含まれているのが特徴です。
もずくの産地について詳しくはこちら
トンガ共和国で採れるもずくについて詳しくはこちら
めかぶは、全国で生産されていますが、そのなかでも宮城県、岩手県の三陸産が全国の収穫量の約70%を占めます。三陸で収穫されためかぶは、ブランド化されクオリティも高く高値で取り引きされることも。
もずくとめかぶの栄養素の比較
食品成分 | 廃棄率 | エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 | 食塩相当量 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 葉酸 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単位 | % | kcal | g | g | g | g | g | g | mg | mg | mg | mg | mg | ug | g |
藻類/(もずく類)/おきなわもずく/塩蔵/塩抜き | 0 | 7 | 96.7 | 0.3 | 0.2 | 2.0 | 0.8 | 0.6 | 240 | 7 | 22 | 21 | 2 | 2 | 2.0 |
藻類/わかめ/めかぶわかめ/生 | 0 | 14 | 94.2 | 0.9 | 0.6 | 3.4 | 0.9 | 0.4 | 170 | 88 | 77 | 61 | 26 | 36 | 3.4 |
TOTAL | 21 | 190.9 | 1.2 | 0.8 | 5.4 | 1.7 | 1.0 | 410 | 95 | 99 | 82 | 28 | 38 | 5.4 |
もずくとめかぶの栄養素を比較してみましょう。上に示した表は、重量100gあたりの成分です。もずくは、めかぶわかめに比べて、エネルギーが半分であるとわかります。またナトリウムの含有率も多い傾向です。特徴として、もずくとめかぶ両方ともミネラルや食物繊維が他の食品と比べて、豊富に含まれています。
もずくとめかぶに共通する栄養素
もずくとめかぶに共通する栄養素として、以下の4つがあげられます。
- フコイダン
- アルギン酸
- カルシウム
- 葉酸
それぞれの特徴や、摂ることで期待できる効果などをみていきましょう。
フコイダン
フコイダンは1913年、スウェーデンの学者であるキリン氏によって発見。海藻類のヌメリ成分であり、食物繊維の一種です。最近では、フコイダンの私たちの体への健康に対する効果についての研究がなされ、さまざまな作用がわかっています。自然由来なので、安心できる健康食品として注目を浴びている成分です。
フコイダンは低分子、中分子、高分子と大きさで分類されており、中分子がフコイダンの特徴的な構造を壊さず、また体内吸収の効率がよいと考えられています。
アルギン酸
アルギン酸とは、もずくやめかぶなどの褐藻類に特有な天然多糖類です。さまざまな効果が知られています。コレステロールを包み込んで、体の外へ出す働きがあるのでコレステロール値を下げます。
また水溶性の食物繊維の一種であることから、糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えます。他にも、体内の過剰にあるナトリウムと結合し体外に排出する作用もあることから、血圧を下げる効果も期待できる栄養素です。
カルシウム
カルシウムはマグネシウムやリンと結合し、歯や骨を作る大切な栄養素です。カルシウムが不足してしまうと、骨粗しょう症につながり骨がもろくなることも。海藻は、カルシウムだけでなく、マグネシウムやリンもバランスよく含まれています。
カルシウムは歯や骨の形成だけでなく、細胞の分裂などに関与したり、血が固まる作用で出血を抑えたり、神経が興奮するのを抑えたりなど、私たちの体になくてはならないミネラルです。
葉酸
葉酸は、妊娠に関与するサプリメントとして有名です。細胞の分裂や成熟する過程に影響することから、受胎の前後に十分な量の葉酸を摂取することが推奨されます。葉酸を摂ることで、胎児が神経管閉鎖障害にかかるリスクを軽減できるとわかっているからです。
他にも、赤血球の生産を助けたり、たんぱく質の合成を促進したりする作用があります。最近では、認知機能の低下に対して関与していることがわかり、認知機能の予防効果が期待されています。
このように、もずくとめかぶにはさまざまな栄養素が含まれ、それによって期待できる効能も多くあります。それぞれの効能について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にご覧ください。
もずくの効能についての記事はこちら
もずくと健康についての記事はこちら
めかぶの効能についての記事はこちら
もずくとめかぶを使ったおすすめの食べ方
もずくやめかぶには、たくさんの栄養素が含まれています。なかでも、もずくに含まれるフコイダンが腸管免疫を活性化させることで、がん細胞が増えるのを抑えたというマウスを使った研究結果も。
毎日摂りたい、もずくやめかぶのおすすめの食べ方を紹介します。
もずくとめかぶを酢の物にする
もずくやめかぶに含まれるフコイダンは、食物繊維のひとつ。酢の物にすることで、食物繊維がやわらかくなり、体内での吸収率が上がります。
また、酢に含まれるクエン酸の作用によって、カルシウムも体内に吸収されやすい形に変化。効率的に栄養分を摂るためにも酢と海藻を組み合わせてみましょう。
酢と合わせることで、さっぱりとし食べやすくなります。酢に含まれるクエン酸やアミノ酸は疲労回復の効果もあるので、もずく酢は、暑い日でもツルッと食べられ夏バテ予防にもおすすめです。
もずくやめかぶを味噌汁に入れる
海藻類をゆでると栄養素が外に溶け出してしまいます。しかし味噌汁にすることで溶け出した栄養素もしっかりと摂ることが可能です。
また、もずくやめかぶに含まれる食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑える働きも。血糖値を上げないためにも、もずくやめかぶ入りの味噌汁を食事のはじめに食べましょう。
もずくやめかぶはカリウムを含み、塩分であるナトリウムを体の外に出しやすくします。塩分が気になる方でも味噌汁はおすすめの食べ方です。
まとめ
今回は、もずくとめかぶについて紹介しました。同じ海藻でありながら、種類や⾷感、⽣産地等にさまざまな違いがあります。また、豊富な栄養素が含まれている点など、共通点をおわかりいただけたのではないでしょうか。
とくに、もずくから抽出される中分子フコイダンは、さまざまな健康に対する効果が発見されています。天然由来であることから、健康志向の方々に注目されている成分です。
フコイダンが多く含まれているもずくやめかぶを毎日の生活に取り入れて、健やかな体を目指しましょう。
フコイダンについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にご覧ください。