もずくの産地はどこ?生産量が多い都道府県と養殖の流れをご紹介
日本人の食卓に古くから取り入れられている「もずく」は手軽に摂取できてクセのない食材で、国内で広く人気です。最近ではもずくの養殖技術が向上し、生産量を上げることができるようになりました。 この記事ではもずくの生産量が高い産地を紹介しながら、養殖の流れをご紹介します。
もずくの養殖生産量ランキング
日本人はもともと海藻を食事として摂取するめずらしい文化があります。その中でももずくは手軽に摂取でき、比較的入手しやすい食材なので国内でも積極的に養殖されています。 日本で取れるもずくはおもに以下の種類です。
- イトモズク
- フトモズク
- イシモズク
もずくは比較的温暖できれいな海中で育つ傾向があります。それでは国内の生産量の割合をご紹介しながらランキング形式で見てみましょう。
1位 沖縄県
沖縄県のもずく生産量は国内トップでその他の県の追随を許さず、なんと「15,336t」!
その温暖な気候と良質な海流は、もずくの養殖に適した環境と言えるでしょう。その生産量からもわかる通り国内のシェア率は99.6%です。
沖縄産のもずくはおもに「オキナワモズク」と「イトモズク」に大別されます。
2位 鹿児島県
鹿児島県は沖縄県に次いで2位。生産量は「131t」です。沖縄での生産量が多いので有意差は顕著ですが、鹿児島県のもずくの収穫量も比較的多いと言えるでしょう。
3位 福岡県
福岡県は第3位です。産生量は「2t」。 福岡県も温暖な気候でもずくが育ちやすい環境なので、もずくの養殖をしている海も見られます。
その他の産地
圧倒的国内シェアを誇る沖縄県ですが、ごく少量ながらももずくは国内各地で採取されます。沖縄以外の地域ですと九州や山陰地方、奄美大島が比較的取りやすいです。温暖な海で生育するイメージがあるもずくですが、北国である新潟県や青森県、北海道でもわずかながら採取されます。
トンガ共和国で採れるもずくについて詳しくはこちら
また、海外ではトンガ王国でも良質な天然もずくが採取できます。日本との貿易交流も盛んなので国内で目にする機会もあるでしょう。
もずくの養殖の流れ
国産もずくの多くは養殖され国内に出荷されています。沖縄県では早くに「オキナワモズク」の養殖に成功しました。現在でもその技術を活用してもずく漁業が栄えています。ここでは、もずくの養殖方法について紹介します。
8月〜11月 天然採苗
養殖して育てるためにはもずくの種を取って集めるところから始まります。もずくの種取りは「採苗」と言って夏の終わり頃から秋口にかけて始まります。もずくの生育しやすい海中環境にビニールシート(ポリフィルム)を貼っておき、天然の沖縄もずくが流れ着くのをまって芽を着生させるのを狙います。その後、着生した種を育てていきます。
この採苗シートをこまめに清掃し砂を取り除くことがもずく養殖のポイント。 シートに汚れや砂が入ってしまうともずくの芽が生育せずに死んでしまいます。
11月〜2月 種付
採苗シートに5cm 程もずくが生育したら専用の水槽にシートごと投入し、今度は網に種付けをします。 このときに、もずく以外の海藻が確認できればこまめに取り除きます。 もずくの生育が進むと網はぬるぬるしてくるので、今度は海に戻しさらにもずくを大きく育てます。
12月〜3月 苗床
水槽の中に入れていた網にもずくが定着し生育しているのを確認したら、網を複数枚にして今度は海の中に戻します。この環境で、もう少しもずくが大きくなるまで育てます。
1月後半〜5月 本張り
苗床でおよそ1〜2cmほどに育ったら今度は網を1枚ずつ海底に設置し、さらに大きく育てます。網の周り全周にさまざまな方向に向けてもずくは生育するので、海底に直貼りせず少し浮かせて網を設置するのがポイントです。さらにもずくの成長は日照量にも影響を受けるので、季節により網の定置位置を調整するのも重要です。
4月〜6月 収穫
大きく育ったもずくを、掃除機のような吸引ポンプを使用して収穫します。ダイバーが網の位置まで潜り、生育したもずくを直接ポンプで吸引するのです。ポンプから吸引されたもずくは船の上に水揚げされます。 このポンプの機械がうまくできていて一緒に吸い込んだ小さなゴミや小エビ・小魚などは再び海に戻されます。
さらに目視で異物が入っていないかどうかチェックし、もずくを厳選します。
もずくの水揚げと出荷の流れ
ここからは、海中から水揚げし収穫されたもずくが出荷されるまでの工程を紹介します。
検量
船上で選別されたもずくは、漁港に到着するとすぐに量をはかり選別されます。(検量)
洗浄
検量された後、もずくはすぐに工場に搬入され機械によって大掛かりな洗浄を行います。この段階でさらに異物を除去していきます。
選別
機械で洗浄されたもずくはその後人の目で細かくチェックされ、確認できる異物も全て除去していきます。
梱包
一斗缶などをはじめとした専用の容器に必要量のもずくを詰め、新鮮で清潔な状態でもずくを梱包します。
出荷
ていねいに梱包されたもずくは、-20°〜-25°の冷蔵庫で保管します。その後それぞれの場所に出荷され、味付けもずくや乾燥もずくなどに加工されます。
もずくに含まれる栄養素
もずくに含まれる成分として有名なのは「フコイダン」。そのほかにもさまざまな、からだに良い成分が含有されているので紹介します。
【もずく100gあたりの三大栄養素】
人間が生きていくうえで絶対に必要な三大栄養素の含有量を見てみましょう。
カロリー:6kcal
タンパク質:0.3g
脂質:0.2g
炭水化物:2.0g
【もずくに含まれる栄養素】
健康や美容につながる栄養素。もずくにはどのような種類が含まれているのでしょうか?
- ヨウ素:甲状腺ホルモンの構成成分として重要な必須ミネラル。
- カルシウム:骨や歯に多く存在する主要なミネラルで、神経細胞などのさまざまな組織の活動にも重要。
- マグネシウム:さまざまな酵素反応に関与し体の電解質の調整を補う。骨の健康維持につながり、実際に体内にある半分近くは骨に含まれているミネラル。
- カリウム:神経や筋肉の機能の調節を担い、ナトリウムに拮抗して血圧に関与する働きを持つ。
- 食物繊維:人の消化酵素で消化されない食品の中に含まれる難消化性物質。お腹の調子を整える成分として有名。
- フコイダン: 海藻類に含まれるぬるぬる成分。水溶性食物繊維が含まれていて、毎日の元気をサポートする成分や美容につながる成分として近年注目を浴びている。
- βカロチン:体内で代謝されビタミンa になる前の前駆体。皮膚や粘膜の状態を正常に保ち免疫や生殖の機能にも関与する。低カロリー・低脂質で食物繊維などのミネラル群が豊富。
ダイエット向きの食材として女性に人気が高いだけではなく、健康志向の方にも注目されているのに納得のさまざまな栄養分が含まれている手軽な食材です。
このように、もずくにさまざまな栄養素が含まれ、それによって期待できる効能も多くあります。詳しく知りたい方は以下の記事も参考にご覧ください。
もずくの効能についての記事はこちら
もずくと健康についての記事はこちら
まとめ
美容や健康、生活の質を向上させるのに役立つ「フコイダン」を手軽に摂取できる食材として人気の「もずく」。食事として摂取するだけではなく、化粧品の成分などにも含有されているので私たちの生活に身近なものになっています。
一口に「もずく」といっても、その産地はさまざまで養殖方法や流通量など実態は色々あります。当然ですが含まれている栄養素やコスパなどを含めた特徴も多種多様。
せっかくなら産地にもこだわり、より良質なもずくを選びたいですよね。もずくの産地を参照し生育環境や含まれている栄養素に着目し、あなたにあったフコイダンの活用方法を取り入れてみませんか?
フコイダンについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にご覧ください。
>>フコイダンとは!?健康パワーと効果的に摂取する方法を解説!
また、もずくに似た海藻としてよく挙げられるめかぶとの違いについても紹介していますので、ぜひご覧ください。
もずくとめかぶの違いについての記事はこちら